法事の代表的な料理
法要が終わったあとには、参列してくださった人を招いて会食を行うのが一般的です。
法要が終わったあとの会食までを含めた、一連の行事のことを「法事」とまとめて言うこともあります。
葬儀のときに出される料理としては「通夜ぶるまい」「精進落し」「直会」「お斎」といった呼び方がありますが、基本的なルールやマナーはだいたい同じです。
ちなみに「通夜ぶるまい」というのはお通夜のあとに参列者を招いて故人を偲ぶという席のことで、告別式の後の同様の席を「精進落し」と言います。
「直会」というのは神式の葬儀のあとの食事のことで、「お斎(おとき)」は法要のあとの食事のことです。
ちなみに浄土真宗の場合は「通夜ぶるまい」も「精進落し」も同じく「お斎」と呼びます。
もともと法要のあとの会食は、喪主などの遺族側が参列してくれた人や僧侶に対して感謝を示すために用意するものです。
本来であれば正式な精進料理を出すところなのですが、良くも悪くも日本人は宗教行事に対してかなり寛容なところがありますので、最近ではあまり厳しく食材や料理の内容について問われなくなってきました。
とはいえ披露宴のようなおめでたい料理を並べるわけにはいきませんので、基本的には「法事向け」として出されている仕出しを利用するのがおすすめとなります。
NGな料理、食事の際のマナー
本来的な精進料理では、宗派によって厳しく献立や食材などが指定されています。
例えばごま豆腐やおひたしといったものを出す場合にも、鰹節の出汁を使用してはならず昆布にしなくてはいけない、といった細かい決まりがあるのです。
先にも述べたように、現在ではそのあたりはかなり寛容になっていますので、おめでたい席のための食材でなければ大体どう提供してもよいとされています。
法要に向かない食材の例としては、伊勢海老や鯛のおかしら付きなどのお祝い料理や、その他松竹梅の模様の入ったかまぼこなどの紅白の彩りのあるものです。
細かく言えば、お刺身の盛り合わせにしてもマグロとイカを並べるなど、紅白になるように配置するのはふさわしくありません。
肉類は精進料理ではNG食材とされていますが、鶏肉もしくは鴨肉を使用していれば良いとされます。
お斎の席のマナーとしては、まず読経をしてくれた僧侶には上座に座ってもらうようにしましょう。
喪主や施主はその近くに座り、労いの言葉を示して料理を振る舞います。
席次としてはその次に親族以外の一般参列者に座ってもらい、施主以外の親族は下座に座るようにしましょう。
法要の時は喪服を着用していても、お斎の席には着替えても良いとされています。
ただ遠方から来ている人などは着替えの手間がかかるので、その場合は施主も合わせて着替えいないようにするなど配慮をしましょう。