不動産の相続は悩みの種と言いますが、再建築不物件を相続すればその悩みの種がさらに増えてしまうことでしょう。なぜなら再建築不物件は自分で利用するにしても非常に扱いづらく、売却しようにも買い手がなかなか見つからないからです。そんな再建築不可物件を相続した際の手続と税金について解説していきます。
再建築不可物件を相続した時の手続の流れ
ここではまず、再建築不可物件の相続に入るまでの流れを見ていきましょう。
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①財産の確定
相続が開始されたら、財産と相続人の確定をしなければなりません。財産の確定は、預金、郵便物、預金通帳の記帳、固定資産税通知書、株式配当金支払明細書を調べます。
②被相続人の確認
被相続人の所有財産が全て把握できたら相続人の確定をします。この時気をつけなければならないのは、相続人の遺産の一部が手続完了後に見つかると、遺産相続手続を最初からしなければなりません。所有している財産が確定したら、素早く相続人の確定をしましょう。
③被相続人の確定
また、相続人には順位があり、被相続人の家族である第1順位にあたる孫、子、第2順位の父・母、第3順位の兄弟・妹に分かれます。多くの人は、被相続人の家族が優先的に相続できると考えていますが、被相続人から2親等の世代まで相続権があります。今まで存在を知らなかった人が相続人として名乗り出る可能性もあるので、トラブル防止のために、被相続人の戸籍謄本をたどって相続人の確定をします。
④遺産分割
相続人と財産が確定したら遺産の分割をします。遺産の分割では、遺言書の確認、財産の評価、遺産分割協議をします。
再建築不可物件の税金について
遺産分割した中にあった、再建築不可物件を相続することになったら、相続開始から10カ月以内に相続税の申告をします。申告先は被相続人の住所がある所轄税務署へ提出します。
再建築不可物件の税金に関する特徴
再建築不可物件は建て替えができません。中には、固定資産税をはらっているものの、利用価値の低い建物に対し固定資産税を支払っているため、もったいないと感じる人も少なくありません。
しかし、再建築不可物件を取り壊して更地にしてしまうと、建物固定資産税が最大4倍にまで跳ね上がります。更地にしてしまうと、余計に税金がかかってしまうのです。さらに再建築不可物件で注意しなくてはならないのが、平成27年5月に施行された「空き家等対策の推進に関する特別処置法」により、空き家である建築不可物件の固定資産税率が変更されました。
再建築不可物件を相続する際に気をつけておくべきデメリット
今までは空き家の再建築不可物件は固定資産税が優遇されていましたが、特定空き家等に該当する再建築不可物件では減額処置が受けられません。逆に通常の建物より最大6倍の固定資産税を支払わなければなりません。
また、建築不可物件を相続する前に、人が住んでいるか、いないかも調べておきましょう。そうしないとすぐに、自由に売却することができず、何年もそのまま手をつけられない事態になりかねません。
再建築不可物件の相続のまとめ
こうしてみると、再建築不可物件を相続は慎重になるべきだといえます。似たようなシチュエーションの不動産相続として借地権付き物件などもそうなのですが、こうしたイレギュラーな不動産に関しては一般の不動産会社では扱い切れないケースがあります。
再建築不可や借地権などの不動産が絡む相続は、必ず専門に相談して進めていくことをおすすめします。