自給自足生活とは
現在働いている人の多くは、定年後どんなふうに過ごしたいか、ある程度希望を持っているのではないかと思います。
セミリタイア生活という言葉が流行した時期もありましたが、現役を引退したあとにのんびりと時間やノルマに急かされない生活をしたいと考えている人も多いことでしょう。
あくせくと会社員として長く勤務をしてきたという人から、多く希望されている生活スタイルが「自給自足生活」です。
自給自足生活の理想としては、自分で田畑を持ってそこで農作物を生産し、それを食べて生活をするというライフスタイルがあるでしょう。
ただし電気や水道、ガスといったものを完全にない状態で生活をするというのはちょっと現実的ではありません。
いわゆる「自給自足生活」というのは、自分で食べるものを自分で作るという意味で用いられることが多いようです。
自給自足生活をするためには、まず農作物を作るための広い土地や自宅の環境が必要になります。
当然都心部など地価の高い場所では難しいでしょうし、活動をしていくための用具などの準備が必要になるでしょう。
現役時代から自家菜園などをしてきたり、農業に携わってきたという人ならともかく、全く農作物の知識のない人がいきなり自分の食べるものを生産するというのもかなりの難易度です。
理想を持つのはよいですが、もし現実にそれを実行させたいと思うのであれば、まず実現可能な方法から考えて行くべきと言えます。
老後から始める際の注意点、準備方法
自給自足生活で最大のネックになるのが農業の安定です。
野菜づくりは、普段スーパーなどでたくさん野菜が並んでいるところを見ているので簡単そうに思えますが、実際には非常に難しく、安定して作物を作れるようになるまでかなりの時間がかかります。
特に近年では農業は大規模化が進んでいるので、自分たちの分だけで作ろうとすると、かえってかなり高い金額になってしまうということもあるのです。
農業に対しての知識もそうですが、その畑の土が作物用に安定するまでには時間がかかりますので、生活をスタートしてすぐに理想通りの生活ができるとは考えない方がよいでしょう。
また、自給自足生活ができる地方都市になると、都心部のようなきめ細かなサービスを迅速に受けることが難しくなります。
過疎化によりお店や病院施設がどんどん撤退しているので、ちょっとした用事のために自動車で1時間も移動をしなければいけないケースも少なくありません。
もし自給自足生活を成功させたいなら、そこでの生活のリスクを理解した上で、必要なサービスや支援も一緒に用意しておくということが大切になってきます。
自給自足生活は安く過ごせると思っていると、すぐに立ち行かなくなりますので、資金面でも十分な準備が必要です。