終活の重要性
「終活」という言葉が流行するようになったのは2009年頃のことです。
もともと日本には独特の死生観がありましたが、高齢化社会により意識的に自分の死後のことを考えるということが身近になってきました。
まず「終活」とは何なのかという点からまとめてみると、その最大の目的は自分の死後に発生する相続や財産などの処分手続きの負担を軽くするということです。
人は生きていることでさまざまな経済活動を行い、権利の主体となって行動します。
法律的にはその人の持つ権利は出生と同時に発生し、また死亡と同時に消失をすることになりますので、その権利によって所有されていたものは、別の形で処理をしていかなくてはいけません。
また、亡くなってしまうと生前に行っていた活動内容を確認できる人がいなくなってしまいます。
相続が発生をした時には、配偶者や子供など親族関係にある人が引き継ぎをしていくことになりますので、遠方に住んでいる人にはかなりの負担になってくるものです。
そこで終活をするときには、自分が現在どういった資産を持っていてどれくらいの負債があり、またどんな権利関係に置かれているかということを、第三者の目から見てもわかるように示します。
また財産や自分の所有するものを目録にしていくことで、その後の人生をどのように過ごしていくかを考える大きなきっかけになってくるでしょう。
終活というと、終わりを意識したネガティブイメージに捉える人もいますが、それは全く逆です。
自分に残された時間はどれくらいあるかということを改めて考えることにより、残りの時間をより有意義に使っていくことができるようにする、というのが終活の目的となります。
目的、始める時期
終活をする時には、まず最初に「自分はどういったところで亡くなりたいか」ということを考えてみます。
もちろん希望を持ったからといってそのとおりになるとは限りませんが、もし自分で末期の時を選べるのであればどうしたいかということ想像してみましょう。
そこから自分の老後の過ごし方を考え、そのために必要になるお金や品物などといったものを準備していくことができます。
終活の開始時期としては、定年など人生の大きな節目に行うのがよいとされていますが、ここ近年の傾向として徐々に若年化してきています。
というのも平均寿命が伸びてきているとはいえ、病気や自然災害など突然に亡くなるリスクがあるからです。
特に40代の働き盛りの時期には子供の教育費もちょうど多くかかるころですし、何かあった場合に備えておくことが重要になります。
終活に早すぎるということはなく、30代くらいから将来を考えた活動をするのがよいと言えるでしょう。